公的個人認証

今日の午前中は公的個人認証を登録するために世田谷区の区役所へ。後輩Fくんの経験を踏まえて,東急世田谷線を使わずに東急バスを使って移動。行きに予想外に時間がかかったけど。
さて,公的個人認証は,インターネットを使った電子申請に当たって,いわゆる「なりすまし」を防ぐために公的機関が個人認証をしてくれる,というサービス。そんなにたくさん使うこともないなぁ,と思いつつも,一応地方自治を専門にしている人間としては最近の「電子自治体」を知るためにも登録しておくか,ということで半分以上が興味本位で登録に(とは言え,一応使う予定ありますよ。念のため)。
登録のための費用は1500円(住民基本台帳カード作成費用を含む)で,時間は40分くらい,ということでそれほどコストがかかるわけではないものの*1,やっぱり説明を聞いてもなかなかわからない…。担当の方に,「一日どれくらい登録されるんですか?」と聞いたら「最近はかなり増えてきて4・5人…いやそれは多いかな」というなかなか微妙な返事。マックス5人だとして年間では1000人ちょっとか…って世田谷区の人口は約80万だったりするのですが。サービス自体は非常に便利だし,これから絶対必要になるものだとは思いますが,やっぱりとりあえずは周知ってやつですよね…。
こういうのを捕まえて「ムダ」と呼ぶかどうかは結構難しい。きっとマスコミさんなら言いかねないんだろう。で,それを見て共感する人は多いと思う。しかしそれは,「今,私が使わない」という観点に縛られすぎているのではないだろうか。将来的にインターネットの利用はますます増えるだろうし,それに応じてオンライン上での本人確認の手段はたぶん必要になる。今の時点で「使わない」からといってそのインフラに投資しなければ,どっかでそれがボトルネックになる可能性があるんじゃないだろうか。たぶん,そのときに慌てて整備するよりも,初期条件にはよるんだろうけど,漸進的に改良していくほうが使い勝手としてはよくなるのではないかと思う*2
ただまあ,その投資がいつ回収できるのかわからない(=いつ「私も使う」か,あるいは自分が関係してくるのかわからない)という問題はもちろん残る。最後まで関係なければ,少なくともその人にとってはムダな訳だし。ただそういう,リスクというよりも不確定性を扱うことができるのは政府が行うことのひとつのメリットだと思うのだけど。

*1:民間の個人認証サービスだとえらい高いのもあるらしい

*2:現状ではあの市町村単位でしか使えないっていうのは結構不便なような気が…ていうかあれは地方,しかも市町村の事務なのか!?もし今後居住地域間の「格差」というものがめちゃくちゃ広がったら,公的個人認証サービスを必要とするところとそうでないところがはっきり分かれる可能性もあるかもしれないけど。