リーダーシップ

東京大気汚染訴訟で,東京都が出した和解案(id:sunaharay:20060930, id:sunaharay:20061130)に,とりあえずトヨタが乗ることになったらしい。和解案に難色を示す企業がある中で率先して和解案に乗ることを決めたのは,アメリカの自動車販売でもダイムラー・クライスラーを抜いて3位に入ることになった世界のトヨタの面目躍如,ということなんでしょうが。

トヨタ、都の救済案に同意へ・東京大気汚染訴訟
ディーゼル自動車の排ガスで健康被害を受けたとして、ぜんそく患者らが国や都、自動車メーカー7社などに損害賠償などを求めた「東京大気汚染訴訟」の控訴審で、トヨタ自動車は5日、都が東京高裁に示した医療費全額助成などの救済案に同意する方針を固めた。近く同高裁に資金拠出に応じる意向を伝える。
NIKKEI NET 1月6日

http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20070106AT1G0502W05012007.html
一方で,たとえば最近一部で(今のところ「きっこの日記」くらいか?)言われ始めた輸出戻し税の話ではどういう対応になるんだろうか。ちゃんと調べてみたことはないけど,ネットに出てるのを読む限り,単純な「制度的レント」であって,あんまり筋のいい話ではないなぁ,と思ったりするわけですが。例えば非課税化が好ましい,と言う話だとしても,それを実現するための政治過程は残念ながらちょっと想像できない。企業はもちろんそれを好まないだろうし,政治家は企業の既得権益をつぶして支持を失うことを好まないだろう。一般に知れたらそのレントを壊す方向に動くかも,と思っても,「公器」であるところのマスメディアが大スポンサーである輸出企業を攻撃するわけないし(てか,そもそも日本の景気を支えてる輸出企業を悪く言うのか,空気嫁とかいわれそう)。ってまさに典型的なオルソン問題じゃないかと思うんですが,こういうときにリーダーシップが出現する条件,っていうのがあって,それがわかったら面白いのに。