「知事経験者」?

浅野前宮城県知事がどうやら東京都知事選挙に出馬するらしい,ということで,それ自体については歓迎なのですが,研究的にはちょっとオロオロ…。ていうか,知事経験者が他の都道府県で出馬するっていうのは(戦前の官選知事を除いて)前代未聞なのではないでしょうか…。2007年以降知事経歴のカテゴリどうするんだろう…まあその頃は今やってる研究も一段落してるはずですが。まあなんつうか,東京都っていうのはたぶん他の道府県とは違うんでしょうねぇ,やっぱり。ひとつの地方政府でありかつ首都である,というのはなかなか立場的に難しい。シラクジュリアーニの例を考えると,浅野前知事もいずれは国政,という方向なのだろうか。
まあそれはそれとして,なかなか面白い(?)ネタがひとつ。

群馬県議会の最古参で、今期限りでの引退を表明している自民党の松沢睦議員=当選9回=が28日、県議会の一般質問で、今夏の知事選に5選出馬を表明している小寺弘之知事に対し、「4期16年の流れから、この辺で新しい流れを作ろうというのが議会の大半の意見だ」と多選問題で苦言を呈した。県議会事務局によると、同議員の質問は1985年12月議会以来。
2月28日 時事通信

ブーメラン,というのはまあいいとして(にしてもツッコミどころ満載)。何回か書いたことあるけど,知事の多選問題というのは本当にヨクワカラン。基本的には有権者の選択じゃないですか,というところで話は済むと思うのですが,わからないのは議会の態度。この引用のような意見もあれば,一方で神奈川県や横浜市のように多選禁止条例を否決しちゃったりするわけで(埼玉とか川崎では通ったらしいが)。基本的には多選に反対なのかと思いつつ,松沢成文とか中田宏みたいに議会と折り合い悪そうな首長の多選制限条例を否決するっていうのは一体どういう風に説明つけるんだろう。条例なんかを理由にして不出馬になることで,首長が選挙に負けずにその政治的影響力が残ることを恐れているんだろうか…。あるいは自分たち(の仲間)が首長になったときのことを考えてるんだろうか…。他には,自分たちの影響力が及ばない知事の多選はいやだけど,影響力の及ぶ知事の多選は好ましい,とかそういう問題なのだろうか(この場合,松沢とか中田はどうなるんだろう…)。うーん。この話はいつもながらよくわかりません。