多選禁止の法制化?

時事通信の官庁速報で,自民党の「首長多選問題小委員会」(そんなのあるんだ…)が地方自治法改正の議論をしていることが報じられています。

◎知事、政令市長は4選禁止=一般市町村長は条例に委ねる−自民小委
自民党党改革実行本部の首長多選問題小委員会は7日、都道府県知事と政令市長の連続4選以上の立候補を一律に禁じる一方、一般市町村長については制限の是非を含めて各自治体の条例制定に判断を委ね、根拠規定だけを設ける方向で法改正を検討する方針で一致した。参院選の党公約に盛り込む。党内で議論を深め、秋の臨時国会への地方自治法改正案提出を目指す。
同小委は総務省有識者研究会が連続3選以上を法律で制限することは憲法上可能とする報告をまとめたのを受け、首長の多選を法律で制限する是非や内容をめぐる議論を本格化した。
(後略)
6月8日 時事通信・官庁速報

ちょっと前のエントリでも書いたように,一律禁止はちょっとどうかなぁ,と思うわけですが。一般市町村長については条例に委任するわけだから別に都道府県知事・政令市長だって同じようにできるわけで,なぜ彼らだけ法律による規制が必要なのか?という疑問にはどのように答えるのでしょうかね。権限が強いから,という理由なのであれば,衆議院議員参議院議員だって任期制限が必要でしょう(特に後者)。少なくとも一律規制にするなら,長に対する議会の不信任など長−議会関係を規定する制度も合わせてパッケージにした上で選択肢を提示する,ということにするべきではないかと思います。これはアメリカのホームルールみたいな話が参考になるのかな。まだキチンと読めてませんが,この論文は参考になりそうな感じ。
嘉藤亮[2007]「アメリカにおける地方政府の制度改革と司法判断」『早稲田政治公法研究』84: 103-135.