副知事否決

脊髄反射気味ですが,今朝の興味深いニュース。

総務省出身副知事の起用案否決=「増員不適当」−福井県議会
福井県議会は8日、副知事に総務省出身で地方職員共済組合理事の下河内司氏を起用し、副知事を2人に増員する議案を反対多数で否決した。最大会派である自民系会派が、「経済状況が悪化する中で副知事を2人にするのは不適当」として反対した。副知事の人事案件が否決されるのは同県では初。(以下略)
7月9日時事通信

総務省出身者の副知事が否決されるっていうのは珍しいのではないでしょうか。記事では「同県では初」と書いてあるけど他の県では見られてきたことなのだろうか,と。でもこういうことがあると総務省の人事的にはかなり大変な気がする。たぶん異動する前提でその後任以降の人事を組み立ててるわけだろうし。なお,この人事自体は6月23日付で同じく時事通信で報じられているが,そのときには,

福井県の西川一誠知事は23日までに、副知事に総務省出身で地方職員共済組合理事の下河内司氏を起用する人事を固めた。開会中の6月の県議会に提案し、選任同意を得て発令する。これにより県の副知事は現在の旭信昭氏に下河内氏を加えた2人体制となる。

という記事だったわけで。こういう記事は多くの場合前任者の本省帰還とセットで書いてあるので,いつも無条件に「ああ副知事交代するのね」とか思ったりするわけですが,改めて副知事は議会の同意が必要な人事であるということが思い起こされる。副知事二人っていうのは別にそんなに珍しくないし,総務省からの副知事にvetoを使う議会がどういうインセンティブをもっているのか,というのは俄かにはよくわかりませんが,まあ何かあるということでしょう。しかしこういう人事が起こるというのは「地方分権」が進んでいることのひとつの傍証なのかもしれない。それが良いのか悪いのかわかりませんが。