静岡県知事選挙

7月にもふたつ大きな地方選挙が。ひとつは兵庫県知事選挙でもうひとつは静岡県知事選挙ですが,このふたつは割と対照的。兵庫県知事選挙の方は相乗り現職vs.共産新人という1990年代後半スタイルの選挙戦が行われることになったようで,最近これだけ「面白い」地方選挙を見せられている中での兵庫県民の不満はわかる気がする。以前にコメントを頂いていたように,「選挙ボイコット運動」もあるみたいだし,もともと低い投票率が「面白くない」という不満のおかげでさらに低くなるのかもしれない。そうすると他でやや上昇傾向の投票率と比較して兵庫県知事選挙の投票率は低くなるだろうし,「競争があると投票率が上がる」という命題はやはりそれなりに正しいように見える。
もう一方の静岡県知事選挙は,例の立木問題!?で知事が辞任ということになったわけですが,立木で辞めるから後任についての指名も何もないということで,ふつうにガチンコの選挙戦という模様。これは自民−民主という国政を引き写した競争を基軸としつつ,民主党の元参議院議員も参戦ということで。この元議員は静岡市会−静岡県会−参議院,というまあいわば叩き上げの地方議員出身者であり,一時期共産党と協議をしていた話もあったことを聞くと,前回のエントリを受けて,まさに社会党と協議をする農政団体関係者か,という気がしないでもないですが。ただちょっとネットで調べてみると,どちらかというと連合と対立している候補者で,静岡空港にも反対しているという感じ(あくまでもネットでざっと見た限りで,ということですが)*1。そういう分裂の仕方を見ると,高名な大学学長を持ってきた民主党の戦略というのは,実は千葉県知事選挙における自民党の戦略と近いような気もしますが。ただ違うと思われるのは,かなり党中央の主導で進んでいると思われるところか。この記事によれば,立候補に当たっては小沢代表(当時)と静岡県選出国会議員が入ってたみたいだし。元参議院議員が地方議員出身であることも併せると,地元の利害関係だけではなく,党中央−党地方組織での調整の問題という側面が強いのかもしれない。
もうひとつ。選挙といえば総選挙がいつなんだ,という話なわけですが,もし解散しないで任期満了を迎えると,公職選挙法31条の規定がきいてくるみたいです。任期満了選挙なら三木内閣以来二回目ということですが,このときもこの規定が問題になったとか*2。この規定だと9月10日の30日以内,という期間(1項)に会期終了の7月28日からの「23日以内」が入ってるから(2項),2項の規定による会期終了後24日〜30日以内の日曜日は23日しかない,と。でも5項の規定によると任期満了選挙ということで公示してもその後の(臨時国会召集→)解散の方が優先されるみたいだから,仮に今国会で解散せずに任期満了を迎えたとしてもあんま関係ないのかもしれませんが。…てかこうなったらもう「解散がいつ」っていう問題設定自体意味ないと思うんだけど…メディアも含めて一月ずれたくらいで何か大きく選挙結果が変わる,ということを本気で信じているとしたら,それはメディアでイメージが作られた郵政解散に縛られ過ぎだし,そういう発想が透けて見えるからこそ支持率が低いのではないかと思ったりしてしまうのですが。

*1:ついでに公約に10%減税入ってるし…。これは最近のお約束なのか??

*2:伊藤昌哉[1982]『自民党戦国史朝日ソノラマ。ちなみに公選法の規定は当時と数字が若干違う。なお最近文庫の新しいのが出たらしい。

自民党戦国史〈上〉 (ちくま文庫)

自民党戦国史〈上〉 (ちくま文庫)