統一地方選挙メモ

東京は石原候補大勝,ということでまあある程度予想されていたことではありましたが,それにしても決まるの早かったなぁ,というのにちょっと驚き。今回の知事選挙は全部9時前には当確が出て,しかもどちらかというと相乗り候補VS共産党の選挙のほうが当確遅かったんじゃないか?っていうくらい。自民系VS民主系の選挙は5つあったものの,全てあっさり決まってしまうという,ちょっとなんだそれ的な結果ではなかったかと。
もちろん今日は軽くワイドショーを見たのですが,浅野候補について,彼が無党派層を動員できなかったことが敗因,という論調だったと思うのですが,個人的にはどちらかというと無党派という方式の限界が見えた選挙ではなかったかと思うわけです。これまで無党派が注目されてきたことが多かったものの,選挙に勝利するのはどちらかというと政党推薦を断った現職(多くが相乗り)であって,それ以外の場合というと保守分裂かあまりにも保守系のタマが悪いうえに,民主党がたたないという条件がある上に,なんかしらのシングルイシューを争点化する必要がある。その意味で,今回はもちろんシングルイシュー(オリンピックあるいは築地市場)を争点化できなかった上に,石原候補がそこまで悪いタマでなかった,という時点で,やはり無党派戦略はほとんど不可能だっただろう。そのため,敗因としては,(1)無党派戦略を有効に活用できなかった,上に,(2)活用できない後に民主党が支持を動員できなかった,ということに尽きる。個人的には(2)の要素が大きいと考えるわけですが,やはり自民党支持民主党支持がかなり開きがある上に,民主党支持層を固めきることができなければまあ勝てるわけない,ということなのでしょう。
僕が今回見てる限りでは,相手が石原候補である以上,そもそも無党派戦略をとることは難しかったと考えていますが,その上に今回は共産党が切り札的候補を出してきたこと,そしてトリックスター・黒川候補がいたことが大きいのではないかと。共産党が吉田候補を出してきたことで,福祉を争点化することが阻まれ,黒川候補が出てきたことでオリンピックや築地を争点化することも上手くいかなくなってしまった,と。宮城県知事を経験した,現実路線の候補である以上,どちらの争点にしても吹っ飛んだことをいうわけにはいかないなかで,より過激な候補がいるとかすんでしまうわけで。陰謀論はキライですが,泡沫候補とされてもおかしくない黒川候補があれだけメディアに出てきたのは,何らかの政治的背景もあるのかもしれない,とさえ思ってしまうのですが。
いずれにせよ,この後は都議会の対応ということでしょう。民主党は今回,都議が熱心に浅野候補を支援しなかった,ということで,今後の石原知事との対立姿勢を明確には打ち出さない可能性が高いのではないかと。ただ,長期的にオリンピックなどの問題で知事と心中するよりは,ここは都議会でしばらく干されてもそのうち浮かぶ瀬がある,としておく方がいいのではないかと思うんですけどねぇ。オリンピックの誘致が現実問題として難しい以上,結局のところ何らかのかたちで臨海副都心開発の清算と向き合わないとどうしようもない局面が来ると思うんですが。ただ,1991年の社会党の経験を見る限り,鍵を握るのは再来週の区議選挙ではないかと。ここで民主党が勝てば対立の構図が持つ可能性は高いのに対して,負けるともうなし崩し…という気がしますが。県議・政令市議選挙については民主党はかなり健闘したので区議も…と思わないこともないですが,ただねぇ…こんな感じでも都議補選に勝ってしまうわけだから,やっぱりなんとも。*1
うーん。都知事選だけで長くなりすぎた。ホントは今回は県議・政令市議が面白かったと思ったんですけどね。

*1:しかしいまころ共産党議員は全国で海外視察の報告書をGoogleにかけてるんだろうなぁ…それはそれで生産的じゃないと思うけど。