カネミ油症

国内最大級の食品公害「カネミ油症事件」の被害者らが24日、東京都内で「カネミ油症被害者東京集会」を開き、医療、生活支援など全面的な救済実現のための法律制定を訴えた。
(中略)
被害者の一部には仮払金の返還問題ものしかかる。被害者が起こした集団訴訟で、国の責任を認める判決が2件出た。829人が国から約27億円の賠償金の仮払いを受けたが、その後、原告側が訴えを取り下げたため返還を迫られている。500人余りの約17億円分の返還期限が来年早々に迫っている。集会でも被害者の1人が、返還できない仲間が自殺や離婚にまで追い込まれたと語り、国による債権放棄などの救済策を求めた。
(2006年9月24日 読売新聞)

カネミ油症の補償については,原因企業の責任が確定していなくて,その責任を問わないことを条件に見舞金を払う,というかたちで一次的な解決がされた一方で,裁判では初期に原告が勝訴して国から賠償金を得たものの,後に原告敗訴になったために現在被害者が賠償の返還を求められている,という経過です。大規模な食品公害の割にはあまり資料がなくてよくわからない,というのが今のところの印象ですが(Wikipediaによると,「教科書から消された」と)。
ウェブで調べる限りでは,被害者の認定制度もあるようですが,それは少なくとも公健法によるものではないし,何か特別法があるのかそれとも違う制度でやっているのか…ちょっとじっくりと調べてみないとなんともいえない状況か。